安西監督がホワイトヘアードデビルだった意味

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(Photo by rawpixel.com on Unsplash)

今日のテーマは、昨日に引き続き、超えて含むということの探究になります。

子どもの頃、漫画のスラムダンクが好きで、今も実家に帰ると時々読みます。
何度読んでも発見がある名作です。

昨日は、超えて含む、ということについてお伝えしました。

進化の方向としては、

超えて含む、

というものがある、と。

指導者としての一つの例としては、スラムダンクの安西監督もまた超えて含んで進化した人でしょう。

昔、ホワイトヘアードデビル(白髪鬼)と恐れられていた時期があるというのが、泣けます。

鬼のようなコーチ、
厳しい指導、
確かな実力、
圧力をかける指導、
追い込むこと、
とにかく怖かった。

それが今では嘘のように、ニコニコして滅多に何もしません。とても穏やかでやさしい指導者ですね。

でも、思うんですよね。

安西監督は、厳しい指導や圧を超えて含んで、仏のように丸くなったのだと。

何とかしてやりたい、
何とか勝たせてやりたい、
強くしてやりたい、
どうして言うことを聞かないんだ、
どうしてやればできるのにやらないんだ、
こうすればいいとわかっているのに、

そういうもどかしさ、強い指導、力、圧を加えた指導があり、それを超えて含んで、内に秘め、手放して辿り着いた境地があるのではないか、と。

間違えてはいけないのは、体罰や暴力や、パワハラなどのハラスメントはダメだということです。

そういうことを容認しているわけでも、そういうことを推奨しているわけでもありません。

何とかしてやりたい、
強くしてやりたい、
勝たせたい、
という時に、教育者や指導者の力がはたらきます。

もう少しやれるぞ、
まだまだこんなもんじゃないだろ、
という動かす時に、まぁ、力を使いやすいものです。

そういう時期があり、そしてさらに、圧や力だけでは人が動かないことを知って、それを手放す境地があるように思います。

何の力もない弱々しい指導、
圧や力による指導、
圧や力を内包して手放した指導、
という流れがあります。

厳しい指導もできるのだけれども、それをやらない。

やさしさの中に強さを内包している状態。

安西監督の指導者としての成長は、力を内に秘めたやさしさにあり、ホワイトヘアードデビルだった時期の意味が込められているなぁ、と思うのでした。

そういう意味で、スラムダンクのクライマックスの山王工業戦の安西監督には、しびれます。

強さを含んだやさしさ、
やさしさを含んだ強さ、
それがあふれています。

実は経営者としても、教育者としても、ものすごく優しく、人格が完成されている人にお会いした際に、昔は厳しい指導をしたものだった、過ちをおかした、と、今の姿からは想像もできないような、強さを前面に出した時期があったことを話してくださることが多いです。

もちろん、そんな経験をせずに指導者としての円熟の境地にたどり着く人もいると思いますが、人の痛みを知ったり、人を育てようと強く関わったり、厳しく接したりする時期があっての今というのを感じます。

社員が言うことを聞かない、
厳しくしないと、
自分が言う通りにやればうまくいくのに、
結局自分がやるしかないのか、
イライラするなぁ、
もどかしいなぁ、
ガツンと言ってやりたい、

バリバリと結果を出す人、地道な努力を積み重ねてきた人ほど、若者や未熟な人を見たときに、そう思うかもしれません。そして、そう接するかもしれません。

それはそれで、まぁ、ありますよね、
と言ってしまってよいのかはわかりませんが、おそらくその先に、その力を超えて含んで手放す段階もあります。

強さを超えて含んだやさしさは、単なるやさしさとは違う響きを持ちますし、やさしさを超えて含んだ強さは、単なる強さとは違う響きを持ちます。

親の愛もまた、そういうものでしょう。

どういう道があるかはわかりませんが、
強さを含んだやさしさ、
やさしさを含んだ強さ、
それは、体罰や暴力やハラスメントと違った次元で捉えておく必要もあります。

<まとめ>

■指導や教育において、相手のことを思えば、強さが前面に出ることはありうることである。
悪い行いを直すとき、強くしたいと思うとき、よかれと思ってやることがある。

■体罰や暴力やハラスメントは容認されることはない。
その一線ははっきりと線を引いた上で、強さや圧について考えておく。

■単なるやさしさや強さとは違った次元に、強さを超えて含んだやさしさ、やさしさを超えて含んだ強さがある。
いま、強く言っているのに人が動かないことでもがいていたとしても、そこにもまた意味があり、乗り越えるもう一つの次元があるかもしれない。

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