忙しいという状態は、生産性が低い

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「面白いことを教えてあげよう。作業員が手を休めることなく常に作業している工場は、非常に非効率なんだ」
(エリヤフゴールドラット『ザ・ゴール』p.132より)

生産性について考える際、いまだに、古典ともいえる『ザ・ゴール』から学べることは多いと思います。

というのは、

生産性とは何か、
生産的とは何か、

ということについて、間違った認識がいまだに多いからだと思います。

働く時間を短くして、いろんな仕事を詰め込んでパツパツにして、忙しくしていて、いろんなことを手がけて、常に慌ただしくしているような姿を、生産性が高いと勘違いしているケースがあります。

そこまでひどくはなくても、

生産性が高い会社、
生産性が高い組織、
生産性が高い人、

というのはどんなものか、肌感覚でわかっている人の方が少ないのではないでしょうか。

生産性が高いというのは、どんなイメージでしょうか。

僕は、初めて『ザ・ゴール』を読んだとき、少なからず、衝撃を受けました。

”作業員が手を休めることなく常に作業している工場は、非常に非効率なんだ”
というまさに、このことがわかっていなかったからですね。

忙しそうにいろんなことをして、たくさん稼働していて、休みもなく働いている状態こそ、生産性が高く、効率的だと思っていたからです。

無駄な時間を減らす。常に手を動かすようにして働く。
そういった、生産性向上の取り組みの話を耳にすることがありますが、要注意です。

アウトプットや成果からみたときに、
スループットや流れを適切に把握し、
ボトルネックに対処してスムーズに流れるようにしてあることが、とっても生産的だということがつかめている必要があります。

そして、逆説的なのですが、

生産的な会社や組織は、
適切なものが適切に処理されていて、
適切に流れて、
適切に完了していくので、
あくせく感や忙しなさはありません。

一見すると、暇そうに見えたり、もっと詰め込めるだろうとも思えるかもしれません。

しかし、生産的というのは、単位時間あたりに仕事を詰め込めばよい、
というものではないですからね。

無駄だと思えるものを削除していったり、単位時間あたりの作業量を詰め込んでいったりすると、時間は痩せ細っていきます。

将来のことや未来のことを考えたり、
緊急ではないけれども重要なことに割く時間がとれなくなっていったり、
投資的な時間がなくなったり、
アイデアが枯渇していったりします。

個人にとっても生産的な1日というのは、案外、必要なことや結果を、決められた時間で出してしまって、それ以外を準備にあてたり、自己投資にあてたりと、結構スムーズに流れるようなものではないでしょうか。

本当にやらないといけないことや、外してはならない部分は、1日のうちでも2割(5時間)程度で、生産的な時間を4~5時間も確保できたら十分幸せだと捉えているのですが、いかがでしょうか?


<まとめ>

■生産性を高めるということに関して、単純に労働時間の削除をして残業を減らしたり、単位時間あたりの作業量を増やせばよいというものではない。
■アウトプットや成果からみたときに、全体のフローを整えることの方が重要であり、その結果としては、適切に完了していくというものになる。
■生産的な1日というのは、慌ただしい、忙しいというよりも、現状と未来を見据えた上で、やるべきことや重要なことが適切に扱えているという状態になる。

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