学びの場づくり:安心して手放すために準備する
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今日は学びの場づくりに関する打ち合わせが続きましたが、その中で感じるのは、準備はしっかりしておいて、当日はその準備を手放せるようにしておくというものです。
授業の計画を立てたり、準備をしたり、
というのは、起こるいろんな可能性を考えて、準備をします。
ねらいは何か、
ゴールは何か、
どんなアウトカムを目指すのか、
どこまでいければよいのか、
学習者が期待していることは何か、
学習者が困っていることは何か、
学習者の悩みは何か、
どんな学習環境を整えられるか、
どんな制約があるか、
どんなことを伝えたいと思っているか、
どんなことを議論できそうか、
などなど、
学習者の状況、当日の環境、教育者の思い、といったものをいろいろ考えたりします。
どんな場になるか、イメージできるかが大事だと思います。
きっとこういう反応があるんじゃないかな、
こういう点は深められるんじゃないかな、
などと、未来をイメージしたりもします。
学びの場をつくる際には、そうやっていろんな可能性を考慮しながら、考えたり、準備したりしますが、当日には、その準備や想定のほとんどを手放すようにしています。
人間相手なのでね、何が起こるかわからないですしね。
思ってもいなかったところが盛り上がったり、脱線していったりもします。
当初の狙いと違うこともOKだと思います。
むしろ、最初に計画したことや頭の中で考えたことに縛られてしまって、相手の反応をつかみ損ねたり、目の前で起こっているおもしろい流れに乗り損ねる方がもったいないと思います。
脱線したり、計画を手放すのだったら、最初からそんなにしっかり準備をしなくても、と思うかもしれませんが、むしろ逆で、しっかり準備していて、いつでもそこに立ち戻れるとわかっているからこそできることがあります。
最低限、これだけ抑えればいいなとか、こういう議論になったときは、ここも合わせて考えればいいなとか、いろいろと事前に準備しているからこそ、安心して逸脱していけるのですね。
あの手も、この手もあれば、リカバリーのバリエーションも増えますからね。
デートのプランを立てるのにも似ていると思います。
どうしたら恋人が喜ぶかいろいろと考えて、
公園に行こうかとか、
映画館に行こうかとか、
このレストランに行こうかとか、
計画したり準備したりします。
そのプランどおりにいけばよいですが、当日はいろんなことが起こるものです。
もっと他に楽しそうなものがあったり、
うもそういう気分にならなかったり、
お店の雰囲気も思っていたの違ったり、
恋人の反応も想定と違ったり。
準備やプランに囚われすぎることなく、目の前で起きていることに適切に対応すれば、計画と違っても素敵な1日になるのではないでしょうか。
そしてそれは、まったく何も準備せず、考えずに、ただなんとなくやればいいというのとは違いますね。
準備はしっかりする。
されど当日は、それすらも手放す。
今日は学びの場づくりの打ち合わせが続きましたが、安心して脱線できるために、いろいろと考えるような1日でした。
<まとめ>
■学びの場をデザインする際には、学習者、学習環境や場、教育者など、いろんな観点から考えて準備や計画を立てる。
■一方で、当日は、準備したことを手放して、相手と向き合う、ということが大切である。
■自由に展開するためにこそ、準備や計画を考えるのであり、立ち戻れるものがあるからこそ、安心して手放してやれるのである。