自己組織化×オンラインの実践的展開『Zoomオンライン革命! 新しいWeb会議システムが世界を変える!』
コロナ禍の影響で、
様々なことがオンラインで行われるようになってきました。
学校の授業も、大学の講義もオンラインですし、
企業の会議や研修などもオンライン化しています。
その中で、テレビ会議システムのZoomを用いている人もとても増えた印象があります。
本書は、2017年に刊行されていて、
新型コロナウイルスが登場する前の時点のものです。
当然ながら、
この数年の間にZoomの機能も変わったり、
アップデートされているところがあります。
が、
本書のすごいところは、
Zoomの単なる使い方というよりは、
それによって何ができるかを示しているパラダイムにあります。
2020年の今読んでも、まったく色あせていないというか、
むしろ、ここまでの世界観を示せている本はなかなかないのではないかと思います。
著者の田原真人さんが、
もともと物理学の予備校講師であり、
オンライン予備校の取り組みからつかんできたことをもとにして、
オンラインで教育や働き方や組織づくりにできることを展開されています。
自己組織化をキーワードに、
Zoomの機能やオンラインでできることをもとに、
学びの場づくり、新しいプロジェクトや組織の発展のさせ方を述べていて、わくわくします。
それこそ、
新しく物事を生み出したり、編み出したりしていく、
創発系の学び、創発系の組織に関して、
世界観をしっかりもって、実践してきた歩みが述べられているので、
読んで刺激になる1冊です。
単に、Zoomを使ってオンラインで授業や研修を実施する、
単に、Zoomを使ってオンラインで会議や打ち合わせをする、
ということではなく、
自己組織化の仕組みを導入することによって、
自然と学び合いが生じ、
自然と仲間が集って新しい物事がうごいていくことがよくわかります。
これからのオンライン化の時代に、
新しいパラダイムで、
学びの場をつくり、組織を発展させるヒントをもらえるのでおすすめです。
次に示すような、オンラインコミュニティの自己組織化に役立つ4つのツールを用意し、各ツールを2週間ずつかけて学びました。
1.複雑性の知
2.自己組織化サイクル
3.自己組織化グループ学習
4.オンライン活用(p.240-241)
これらによって、オンラインコミュニティが自然発生的に発展していくのですが、それを支えるのがZoomであり、
Zoom×自己組織化のインパクトを強く感じます。