オンラインでの講座で講師が抑えるべき12項目

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オンラインで講座や学びの場をつくる際の、講師やファシリテーターの注意点についていくつか調べていました。

言われてみるとあたり前のことばかりなのですが、そういうあたり前のことをあたり前にするということが大切なので、ここでも紹介させていただきます。

本日紹介するのは、以下の論文からです。

Martin, Florence, Chuang Wang, and Ayesha Sadaf. "Student perception of helpfulness of facilitation strategies that enhance instructor presence, connectedness, engagement and learning in online courses." The Internet and Higher Education 37 (2018): 52-65.

https://webpages.uncc.edu/fmartin3/site2018/publications/JournalArticles/47_IHE2018_StudentPerceptionFacilitationStrategies.pdf

オンラインでの講座において、インストラクターが行うとよいと明らかになっていることについて、実際に学生はどう感じているかを調査したものです。

アメリカの188人の大学院生に、オンラインアンケートを実施した結果、12の工夫はいずれも効果的だと認識されたのです。

12項目は以下の通りです。

1.講師の紹介ビデオを作成する
講師の自己紹介を動画で載せることによって、学習者と関係を築きやすくなります。

オフラインでもあたり前に重要ですが、オンラインだと余計に講師がどんな人かという人となりの情報が欠けてしまいますね。

2.コースのオリエンテーションのビデオを作成する
学習環境を整え、どんな学び方をしたらよいのか、どのように臨んだらよいのかがわかるのは重要ですね。

ビデオを観るのか、
リアルタイムで学ぶのか、
困ったときはどこに連絡をすればよいのか、

そういう学ぶ環境を整えて、明確にしておくことは、学習者の満足度を高めることにもつながります。

3.様々な方法で講師と連絡が取れるようにする
フォーラム、メール、電話などで連絡が取れるようにすることで、やりとりを増やして学習者の孤立を防ぐことができます。

オンラインでの講座で起こりやすいのが、ドロップアウトです。

仲間と連絡をとれずに孤立してしまうとか、
わからないときに気軽に講師に聞けないとか、
講師と学習者、学習者どうしで関係を築くところにハードルがあったりします。

そのため、どういう手段で連絡が取れるのかを明確にしておき、なおかつ、メール、電話など複数手段を確保しておくこともポイントですね。

通信トラブルでつながらないということが起こりえます。

4.質問にタイムリーに答える
学習者の質問に対して、48時間以内に答えると満足度が高いようです。

動画を見たり、課題を解いてわからないことがあった場合に、レスポンスの速さが満足度に影響します。

あまりに質問を放置されてレスポンスがないと、学習意欲も下がりますし、ドロップアウトにもつながりやすいでしょうね。

5.講師が毎週連絡をする
学習者への励ましになります。
大学や大学院の授業など、定期的な講義だったり、全10回のようなプログラムだったりする場合に、定期的に講師からの連絡があると、モチベーションの維持だったり、学ぼうという方向に動いたりします。

まぁ、大人の学びにおいて、そこまでする必要があるかは疑問ですが、動画を10本見て、最終課題を出して終わりというような講座よりは、定期的にフォローや励ましがあった方が離脱は少なくなるでしょうね。

6.オンラインコースではマルチメディアのコンテンツをつくる
ドキュメント、音声、動画、画像など、複数のメディアでコンテンツがあることによって、学生の関心が高まります。

文章を読むのが好きな人もいれば、
動画を観るのが好きな人もいれば、
隙間時間に音声を聞くのが好きな人もいますね。

動画で学べるようにしつつも、そのポイントを文字起こししたものを用意するなどでも十分効果的だと思います。

7.ディスカッションフォーラムを活用する
仲間と議論をしやすくしたり、アウトプットの場を設けることで、学習が促進されます。

わからなかったことを仲間に聞いたりということが、リアルの場では自然に起こったりもします。
気づいたことや感想を共有しあったりもしますね。

そういう機会をオンラインでも確保することが大切です。

講師とやりとりをしたり、仲間とやりとりをすることで、学びも深まりますし、ドロップアウトも少なくなります。

動画を見ただけ、教材を読んだだけ、という一人だけの学びだと、どうしてもつらいところがありますね。

8.タイムリーなフィードバックをする
質問にはすぐに答えるというのと似ていますが、タイムリーなフィードバックによって学習を促進させることができます。

学んだ成果、アウトプット、取り組んだことなどに対して、適切なタイミングで、タイムリーにフィードバックを行うことですね。

学習者が課題を提出したりしてから、忘れた頃にフィードバックがくるのと、まだ考えたことや取り組んだことが鮮明なうちにフィードバックがあるのとでは、学びの効果もだいぶ違います。

9.様々な形でフィードバックを行う
テキスト、音声、ビデオ、ビジュアルなど、必要に応じてフィードバックを行う。

文章で伝えた方がよいこと、
テレビ会議システムなどの動画で話した方が良いこと、

フィードバックしたい内容やタイミングにあわせて、メディアを使い分けるということですね。

即時のフィードバックだとメールやチャットが便利ですが、伝わり方を考慮すると電話だったり、話したりした方がいいなということはあります。

スキル系のフィードバックだと、動画を観たりとかも効果的ですね。

10.学習者の省察を促すように個別対応する
学習者が考えを深められるように、個別対応をすることで、学習を促進させることができます。

このあたり、人数が多くなってくるとたいへんですね。

相手に合わせて、問いを投げかけたり、話を聞いて一緒に考えたり、
そういう時間を確保したり、一手間かけることで学びを深められます。

教材を観ておいて、というだけでは限界はありますね。

11.オンタイムのセッションでやりとりをする
相互作用や対話をもとに、フィードバックをしたり、関係を構築できたりします。

教材をオンデマンドで用意しておいて、所定の文章を読んだり、動画を見たりして、各自の好きな時間に学べるようなオンラインの講座であっても、オンタイムのセッションを設けてあげることで学びを深めたり、ドロップアウトを防いだりすることができます。

12.ビジュアルを重視したシラバス
学習内容の全体像を学習者に把握させ、興味を持たせることができます。

紙のシラバスではなく、オンラインでのシラバスなので、学習内容の全体や系統がわかるような図や表、他のウェブサイトや書籍へのリンクなども含めて工夫できるということですね。

ちなみに、学習者からはそこまで評価されていなかった項目です。

コンテンツのマッピングや視覚化はできたらベターくらいな感じでしょうか。

いかがでしたでしょうか。

大学におけるオンラインコース、オンライン講座をイメージした部分があるとは思いますが、社会人向けに連続講座をオンラインで設計する際にも、おさえておくポイントはそれなりにあったのではないかと思います。

相手の学びにコミットするということは、それだけ力をかけるところもあり、オンラインの良さを生かしつつ、ドロップアウトをどう防いでいくかの観点も必要でしょうね。


<まとめ>
■オンラインでの講座や学びの場づくりにおいては、学習者と講師の関係構築、学習者のモチベーションの維持、についてそれなりに配慮をしておくとよい。
■オンデマンドで学べる際には、教材や動画がたくさんつくれるが、それらの全体像をマッピングしたり、ガイダンスで学び方を伝えたりすることも効果的である。
■動画や教材を提供して終わりではなく、学習者にあわせて、なるべく適切なタイミングでのフィードバックも求められる。

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