無記名だとオンラインチャットに書き込みやすいかもしれない が…

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(Photo by rawpixel.com on Unsplash)

今回紹介するのは、医学教育の分野のe-learningにおけるオンラインファシリテーションです。

参考にするのは以下の論文です。

Ellaway, Rachel, and Ken Masters. "AMEE Guide 32: e-Learning in medical education Part 1: Learning, teaching and assessment." Medical teacher 30.5 (2008): 455-473.

https://participativelearning.org/pluginfile.php/425/mod_resource/content/2/AMEE%20Guide%2032%20eLearning%20in%20medical%20education%20%20Part%201%20Learning%20teaching%20and%20assessment.pdf

オンラインでのファシリテーションで、リアルと違う部分には、チャットの活用という側面があります。
フォーラムのようなものや、オンライン会議システムについているチャット機能なども、ファシリテーションに活用することができます。

フォーラムやチャットの使い方も基本的には、リアルのファシリテーションとは変わりません。

学びを促すために、問いを投げかけたり、相手の振り返りを促したりしますね。学習者が自分で考えられるようにしたり、問題解決をできるように支援することは変わりません。

オンラインの掲示板やチャットの問題としては、不適切な投稿への扱いということも挙げられます。
匿名の場合には、不適切な批判や無責任なコメントが書き込まれる恐れもありますね。

実名での書き込みにすると、書き込む人が少なくなるとか、本当に思っていることを書かなくなるのではないか、という懸念が指摘されますが、個人的には、書き込むなら実名でと思っています。

ニコニコ動画のように、参加者のコメントがスクリーン上を流れるものもあり、無記名ゆえの面白さやユニークさを発揮することもあるものの、個人的には実名の責任ある投稿に対応するというのを基本にしたいです。

学生と話していると、匿名だと授業中に発言したり、質問しやすい、という声がたしかにあがってきます。カメラもオフ、名前も誰かわからないと発言しやすい、ということですね。

実名でビデオオンだと、

他の人にどう思われるか気になる、
意識高いと思われるのではないかと気になる、

とかいう意見も学生視点からだとわかります。

しかし、そこは、大人として自分の意見を伝えたり、質問できるようになる方が、重要だと個人的には考えています。

そして、実名だったとしても質問しやすい雰囲気や書き込みやすい雰囲気をつくればよいので、むしろそういう工夫が必要ではないでしょうか。

コメントや発言が少ない際に、最低これくらいの数は書き込んだり発言したりするように、と伝えることがあるかもしれませんが、これは良し悪しを考えた上で行うのがよい、ということも指摘されています。

書き込みや発言を強制することで、たしかに意見は出やすくなるかもしれませんが、学習者の能動的なスタンスを奪うことになります。
このあたりは、リアルな場でのファシリテーションにも通じます。

医学教育の分野の学習者は、どこかクールで、頭が良くて、発言は控えめ、というところがあるので、書き込みや発言を強制したくなる部分はあるかもしれませんが、慎重に、ですね。

学びたい人が自主的に集まる場や、生涯学習の場面では、最低いくつは書き込んでくださいと強要しないことが多いと思いますので、学習者の違いも大きいですね。

不適切な発言があった場合には、それを記録として残しておいたり、毅然と対応することも重要だと指摘されています。

とまぁ、オンラインでのファシリテーションにおけるチャット活用を中心に取り上げてみました。

問いを場に投げかけたり、
必要な情報を提示したり、
議論を深めたり、
オンライン上のトラブルに対応したりと、
様々な工夫ができますね。

誰かが発表している間に、
チャットで感想を伝えたり、
疑問を書き起こしたり、
他の参加者からもコメントをもらうことで、
能動的に聞いたり、議論を展開したりというメリットもあります。

ただ、オンライン発表の場合には、脱線し過ぎないようにしたり、議論を整理するようなサブ的な役割で使って、あくまで主となる発言や発表の流れを妨げない程度にすることも大事だと思います。

みなさんは、オンラインでの学びや会議に、チャットやフォーラムをどのように活用しているでしょうか。


<まとめ>
■オンラインでのファシリテーションでは、チャットやフォーラムを活用することができる。
■注意点としては、不適切な書き込みへの対処、発言のコントロールと強制、などが挙げられる。責任ある立場での発言をもとめつつ、書き込みやすい雰囲気を作っておくことだろう。
■発表や発言などのメインを生かしつつ、サブ的に議論を深めたり、参加者と共同でつくりあげられると、おもしろい知が生まれたり発展もする。

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