自社のサービスを潰す新しいサービスを考える

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(Photo by rawpixel.com on Pixabay)



今日は、職場の定期健康診断を受診しました。

新型コロナウイルスの感染に配慮して、いくつも工夫がされていて、変化を感じましたね。

自分が企業で働いていたときは、そもそも職場ではなく、医療機関で健康診断を受けるスタイルだったので、皆さんの中には大学の職場の健康診断に馴染みがない人もいるかもしれません。

毎年、決まった日時に受診するようになっていて、その時間に行くと、長蛇の列ができています。

受付まで、20分待ちみたいなことになっていて、待たされるイメージがあったのですが、今年は、整理券が配られていて、9時20分頃にお越しください、などとアナウンスされました。
毎年、あの列に並んでいる時間は無駄だなぁ、と思っていたので、この整理券システム、地味によかったです。
混雑も緩和されていましたしね。

仕組みとしてはそれほど複雑には見えなかったので、やろうとすれば、今までもできたのではないかとさえ感じます。
ですが、感染対策の一環ということで決まったのかなと思いました。

他にも、消毒液が置いてあったり、こまめに消毒したり、入場者の体温を測っていたり、セルフでできる検査に形を変えていたりと、いくつもの変化を感じました。

全体としてスムーズに流れていて、工夫を感じたものです。

様々な制約があったり、あたり前が変わると、サービスも人も変化します。
変化せざるをえない状況になると、変化させるものです。

こういった状況のことを、断絶(disjuncture)と呼びます。

今までとあたり前が違う。
今まで通じていたやり方では、今回はできない。
今までと同じようにやっていても結果がでない。

そういった状況の変化、意識の変化のポイントのことですね。

変えようとすれば、それまでも変化できたのでしょうが、一定程度の閾値やティッピングポイントまでの変化が、たいていの場合は求められます。

いやー、これだけ状況や環境が変われば、それは変わるよな、と思うことは、いまは世の中にたくさんあるかもしれません。

イノベーションを起こす際に、以前自分が働いていたリクルートの言葉も頭をよぎります。

それは、

自社のサービスを潰すサービスを考える、
自社の事業をぶっ壊すにはどうするかを考える、

というものです。

他の会社にこれをやられたら、うちの会社のサービスは成り立たなくなるな、こんなサービスを新しく始めたら、自社の事業は負けるな、
というものを考えろ、

というものです。

なかなか過激なのですが、イノベーションというのはそういうところにあるのだと思っています。

自ら断絶をつくりにいくというか、前提から書き換えていくイメージですね。

大学で働いていたり、教育について考えているときに、これをやったら大学は必要がなくなるんじゃないか、こうやったら既存の教育サービスは成り立たなくなるのではないか、ということを考えてみるのも大事だと思います。

AIが発展したら、自社のサービスは潰れる、AIによって仕事が失われる、

ということを気にする際に、もう一歩、そこから先を考えておくというのもよいかもしれません。それでもこういうサービスやこういう事業は必要だろう、と。

状況が劇的に変われば、人もサービスも変わります。

問題は、

自分や自分の組織から、先手をとって変化をつくり出したり、イノベーションを起こしたり、断絶状態をつくれたりするかどうかかな、

なんて思いました。

<まとめ>
■状況の変化や前提の変化は、人の変化やサービスの変化を生み出す。制約があることによって考えられることもある。
■断絶(disjuncture)を意識してつくれるかが、意識の変化には必要になってくる。
■例えば、自社のサービスや事業を潰したり壊したりするにはどうするかを考える。
こんなサービスや事業を他の組織にやられたら困るということを、内側から、自分たちから仕掛けていくことによってイノベーションは生じる。

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