生涯教育×マーケティング×コーチング
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僕が手がけている分野は、生涯教育×マーケティング×コーチングととても不思議な組み合わせになっています。
教育というと、効率や利益重視の発想からは遠いというか、マーケティングを敵視しがちですし、
マーケティングは、一見すると利益が上がればなんでもよくて思想や哲学なき方法みたいに見えやすいですし、
コーチングは、教育的なアプローチとは異なり、マーケティングよりもあり方よりにうつったり、逆にテクニック的にうつったりします。
自分の中でもちょっと不思議なトライアングルで、
マーケティングをやっている人からすると、教育やコーチングは、結果や数字に重点が置かれていないと批判する人は多いです。
コーチングをやっている人は、コンサルティングも教育も教えすぎだし、マーケティングに至ってはお金に焦点があたっていて醜いと批判する人がいます。
生涯教育としては、人権や公的な領域、社会福祉を重視するので、社会批判的な視点がないマーケティングやコーチングは市場原理に偏っていると批判があります。
どうも、生涯教育、マーケティング、コーチング、は相性がよくない部分は多いのです。
様々な矛盾を抱えてもいます。
文脈やコンテクストが違うので、生涯教育の考え方を下手にビジネスやコーチング領域で取り入れてもうまくいかないですし、
マーケティング領域の考え方を下手に公的領域やアカデミズムの世界に取り入れてもうまくいきませんし、
コーチング的アプローチを教育やマーケティングにそのままあてはめてもうまくいきません。
そのため、これまで、
生涯教育的アプローチ、
マーケティング的アプローチ、
コーチング的アプローチ、
はそれぞれ、なるべく明確に分ける形で深めてきました。
それぞれの土台や守となる部分を磨き、それぞれが効果的な文脈で必要に合わせて伝えたり用いることをしてきました。
しかし最近、これらの思想の背景にある矛盾関係を含みながらも、自分の中でやっぱり統合できるんだなという感覚が強くなってきました。
振り子の両極を揺れるように、3つの領域の重なるところと重ならないところを意識しながら、自分の中ではパラダイムシフトというキーワードを通して1つにつながっていく感覚があります。
それは何も新しいものではなく、以前から知っていたことなのですが、原点に帰ってきたイメージです。
これは本当にそれがいいのかはわかりませんが、今の社会のいろんな分断や対立を自分の中に内包させながら、すべてを認めながら1つに統合するような感じで、とても矛盾を秘めているなぁ、とも思います。
矛盾とカオスを愛しながらも、その中で豊かさを問い続ける営みを続けていきます。
生涯教育×マーケティング×コーチングの組み合わせではなく、
人材育成×マーケティング×コーチングの組み合わせだったら、深めている人はたくさんいると思うのですが、
自分はやっぱり生涯教育にもこだわっていきます。
<まとめ>
■生涯教育、マーケティング、コーチング、この3領域においては、哲学や思想が異なる部分が多い。
文脈やコンテクストが異なることも多く、相容れない考えは多い。
■これまでそれぞれの分野をそれぞれに深めてきて、それぞれの領域や分野で活用してきたけれども、深めてきたら結局つながることも多いことがわかってきた。
■文脈やコンテクストが異なる思想や哲学を、その矛盾ごと自分の中に取り入れ、そこから現代における生き方や働き方を問い直すのが自分の役割かと思う。